なんでここにあるんだろう?
世の中、なんでここに、こんなものが、ということがある。
バラエティー的には、そういうものは何か意味があるわけだ。
豆知識を披露し、「明日使える雑学」的なものを紹介したいところだが、日常ではそんな受けの良いものを発見するのはムズカシイ。
例えば、今日たまたま近くを通った川の底に落ちている靴の中敷き、なんていうのは、特に意味はない。雑学も何もない。無念である。
いや、しかしこれはおかしなことだ。
と、気が付く。
普通中敷きは靴の内側にある。外には出てこない。不幸にして外に出るような場面があったとて、どうして川の底に沈んでしまうのか。
普段誰も立ち入らない川である。うっかり川の中に流してそのまんまってこともあるまい。
妄想してみる。むむーん。
例えば例えば、あるところに、おじいさんがいたとする。
ある暗い、砂だらけの道で散歩をしていた。
異物感があって、中敷きを取るような場面があったとする。
その刹那ぴゅうと風が吹き、中敷きを飛ばしてしまった。
待って待ってと追いかけると、通りすがりの鳥がそれを咥えて飛んでいってしまう。
困ったおじいさん、鳥めがけて1、2の、3段跳びで体当たり。
見事、中敷きを取り返した、かと思ったら、おじいさん空中でぎっくり腰。
あんまり無理はするもんじゃないね。
砂場に落ちたおかげで、着地ダメージがなくて助かったけど、中敷きはどっかへ流れて行っちゃった。
しかし、手にはキラキラ光るもの。
鳥の足元に引っかかっていた、お星様だったのです。
夜空は明るくなり、おじいさんはやれやれと帰ったのでした。
めでたしめでたし。
川の底の中敷きには、こんなエピソードがあるのかもしれない。