声出しとテレパシー・マリオ
今日、近所の野球場に行った。
野球場というのは、スタジアムなどではなく、公園がくっついているようなところで、地域の人の憩いの場にもなっている。野球場では少年野球の試合が行われており、子供達が今日もにぎやかに、ワーワーと声を出していた。
私はその傍らにあったベンチで読書していた。
秋の風を浴びつつ、外でする読書はまた乙なものだ。
本の世界に入り浸っていると、隣のベンチから、2人のおじいさんたちの声がした。
「あのファースト、背がデカいねぇ」
「あのピッチャーの子、肩が回ってるネ、一流だね」
ベンチは野球場のネット越し、一塁側にあり、意外と野球の観戦には遠からず近からずの距離にある。なるほど、ここはおじいさんたちが、少年野球の観戦するのにもよい場所だったのだ。
さて、本題はここから。
「みっつ!みっつ!」「ウェーイ、ウェーイ」
子供達の声がする。「えー!えー!」とも聞こえる。
これを『声かけ』と呼ぶことにする。
この声かけを聞いたときだった。
私はふと、このゲームのことを思いだし、ある疑問に駆られた。
「彼らは声かけをするのだろうか?」
このミラクルベースボールは、マリオファミリーが野球をするというゲームだ。
ボールが燃えたりタマゴになったり、スタジアムに音符ブロックがあって、打球が跳ねてホームランなんてこともある。そんな愉快痛快なベースボールである。
しかし、このゲームでは・・・というか、野球ゲームで声かけをしていることはあまりない。野球ゲームの経験は少ないが、「声かけ」なんてコマンドがあるのだろうか、いや、ない。
声かけしない理由はただ1つ。喧しいからだ。もう完全にプレイヤーの妨害になってしまう。そんなリアリティ要らない。
しかし、スポーツにおいて声かけがないというのはどうなんだろう。野球の声かけは、プレイが孤立化しやすい内容に対し、チームワークを感じさせる稀有な要素だ。
黙々と野球をやるのは寂しいじゃないか。
それに、先の「ミラクルベースボール」だって、クッパ軍団もマリオファミリー一同揃って、即席でチームを組むようなゲームである。だから、指示を出すには声出しがとても大事なはずだ。
そこで考えられる可能性――
マリオたちがプレイヤーにわからない方法でコミュニケーションをとっているということだ。
例えば・・・そう、テレパシーとか。
プレイヤーには分からないように、ひっそりテレパシーで「ウェーイ」「セー!」とか言ってるのかもしれない。いや、もっと精密な指示を出しているのかも・・・
しかし、もしも、こんな妄想が本当だったら、これは野球に限った話で無く――
マリオらはプレイヤーの知らないところで声出しをしているかもしれない。
「クリボー!踏むぞー!」
「ノコノコ!甲羅投げるぞーー!!」
「ハンマー(ブロス)!こっちくんなあああ!!」
そんなやり取りがあるのかもしれない。
そんな妄想を浮かべながら
「テレパシー・マリオ」の世界を冒険してみる。
積み重なったクリボーA(一番下)「重い・・・」
積み重なったクリボーB「重・・・」
積み重なったクリボーC「実は一番つらい・・・」
積み重なったクリボーD「高いとここわい・・・」
積み重なったクリボーE「(割と楽だけどそんなこと言えない・・・)」
けっこう、うるさい。
まとめ。
声出しをしていないマリオだけど、
声を出さずに、こっそり会話しているかもしれない。